【2021年5月環境】旧枠2ブロック最強デッキランキング【Tierランキング】
はじめに
旧枠2ブロック界、激震。
5月22日に発売された『20周年超感謝メモリアルパック 魂の章 名場面BEST』により、旧枠2ブロックの環境は大きく変貌してしまいました。
パワー2000や4000のクリーチャーで細かくアドバンテージを稼ぐ牧歌的な環境は終焉を迎え、盤面に降りてくるのは《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》《不滅の聖霊パーフェクト・ギャラクシー》《暗黒王デス・フェニックス》のような往年の強フィニッシャーたち。
また、色は限定されていますが、フィニッシャーの着地までを支えるユーティリティカードや、強力なシールドトリガーも追加され、これまでに環境で活躍していたデッキも大きく影響を受けることになりました。
特に、4月以前の環境で最有力とされていた【ドロマーロードリエス】に対し《黄昏地獄拳》《アポカリプス・デイ》の存在は非常に影響が大きく、それまでのメタゲームを揺るがすほどのインパクトを与えています。
さて、このような大きな変化があった2021年5月の旧枠2ブロック環境では現在どのようなデッキが注目を集めているのか?筆者の独自の目線*1から環境のデッキをランク付けしてみました!
Tier 1
【5cコントロール】Tier1
アドバンス、オリジナルに続き旧枠2ブロックにも5色の魔の手が。
【5cコントロール】は「王来篇の寵児」ともいうべき強化っぷりで、環境トップの座をかっさらいました*2。
環境当初は《アポカリプス・デイ》《支配のオラクルジュエル》を《音感の聖霊龍 エメラルーダ》で埋めて耐久し、《不滅の聖霊パーフェクト・ギャラクシー》+《オールデリート》のコンボを決めて勝つ構築、通称【ギャラクシーデリート】が主流でした(詳細は後述)。
しかし、【ギャラクシーデリート】ミラーでは基本的に『ギャラクシーデリート』が勝ち筋になることはなく、だいたいは小型クリーチャーで2点入れて、上から引いてきた《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》で3点入れてフィニッシュ、というプランを取ることになります。
その発想を逆手に取り、『《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》より速いフィニッシャーを搭載することでコントロールが跳梁跋扈した環境で一歩先に抜け出る』ことを意識したのがこの【5cコントロール】になります。
動きの根幹となるのは《飛散する斧 プロメテウス》。
3ターン目までにブーストし、このカードで7マナにジャンプアップ。手札の質を高めながらブーストするその姿はまさに『旧枠2ブロック界のデドダム』と呼ばれるほど。
繋ぐ7コストのアクションは、《不滅の聖霊パーフェクト・ギャラクシー》……ではなく、《ボルバルザーク・紫電・ドラゴン》+《至宝 オール・イエス》です。
《至宝 オール・イエス》をクロスした《ボルバルザーク・紫電・ドラゴン》はまさに攻防一体。2回攻撃すれば2ハンデスしながらの4打点ですし、アンタップ状態で立っていれば2回ブロック可能。
「パワー11000の2回行動」というステータスによって、《不滅の聖霊パーフェクト・ギャラクシー》のシールドフォースを確実に剥ぎ取ることもできるため、同速度のデッキすべてに対して安定したフィニッシャーとなり得る力を持っています。
クロスするためにタイムラグが発生することが一見欠点に見えますが、生じたタイムラグで《ボルバルザーク・紫電・ドラゴン》が除去されてしまった場合でも、このカードまで繋いできた《青銅の鎧》《飛散する斧 プロメテウス》といったカードが《至宝 オール・イエス》を装備し、《ボルベルグ・クロス・ドラゴン》《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》といった次なるフィニッシャーの着地まで盤面を堅く支えてくれます。
完全無欠のように思えるデッキタイプですが、多色カードの少ない旧枠2ブロック環境ではマナベースに大きな制限がかかる点が大きな欠点。通常環境の【5cコントロール】と比べるとかなりマナベースに気を使いながら構築する必要があります。
【5cコントロール】に有利なデッキタイプ
【赤緑アグロ】
Tier 2
【ギャラクシーデリート】Tier2
先述した【5cコントロール】の前身となったデッキですが、攻める力に特化したビッグマナであるそちらとは完全に真逆の、『守る力に特化したビッグマナ』なのがこのギャラクシーデリート。
マナを伸ばしながらひたすら《音感の聖霊龍 エメラルーダ》で耐えて耐えて、最終的に《不滅の聖霊パーフェクト・ギャラクシー》+《オールデリート》のコンボを決めて勝ちます。
《支配のオラクルジュエル》《アルカディア・スパーク》《アポカリプス・デイ》の重量級トリガー三銃士とも言えるラインナップは、生半可なデッキの存在を全てシャットアウトするほどの防御網。
特に《アポカリプス・デイ》は《不滅の聖霊パーフェクト・ギャラクシー》との相性も良く、枚数を増量したリストも少なくありません*3。
ですが、やはりコンボが揃うまでの速度の遅さは大きなネック。
守りを貫通するほどの圧倒的な攻撃力を手にしているデッキにはかなりの不利が付いてしまいます。
そのため、【5cコントロール】同様《至宝 オール・イエス》の採用や、火文明のカード全般に強くなる《電脳聖者タージマル》の採用によって弱点を克服するアプローチにも一考の余地があるでしょう。
研究の結果【5cコントロール】に分化したデッキとはいえ、まだまだ開拓の余地の残されたアーキタイプであることは間違いありません。
【ギャラクシーデリート】に有利なデッキタイプ
【5cコントロール】、【連ドラ】
【赤緑アグロ】Tier2
先ほどまでとは打って変わって、高速決着を目的とした【赤緑アグロ】も上位陣の仲間入り。
押し付けるだけだったいままでとは異なり、【5cコントロール】の台頭によって現れた、いわばメタデッキ的な立ち位置になっています。
4月までの環境でアグロデッキの中心核と言われていたのは【赤青リーフ】【青黒リーフ】のような《アストラル・リーフ》デッキでしたが、【赤緑アグロ】がそれらより優れている点は1コストアタッカーを8枚採用できることと、《無頼勇騎タイガ》の存在によって2ターン目から2打点が繰り出せることの2点にあります。
《アストラル・リーフ》はどうしても《マリン・フラワー》とセットで引いていなければ序盤の打点が乏しいことが弱点のカードです。環境のカードパワーが低いうちはそれでも爆発的にリソースを伸ばすことができるため押し切れるシーンが多かったものの、現環境のディフェンス力に対してはやや力不足。
そこで、よりオフェンスに特化した赤緑アグロに白羽の矢が立っています。
《ガントラ・マキシバス》が生き残ればマナを伸ばしての長期戦にも対応可能。
序盤に激しく盾を攻め、相手がそれを受け切るためにリソースを吐き出したところに《ボルベルグ・クロス・ドラゴン》《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》といった巨大なドラゴン軍団を繰り出す展開も少なくなく、意外と柔軟なデッキと言えるでしょう。
しかし、このような小型クリーチャーの展開をものともしない防御力を持つ【ギャラクシーデリート】にはやや不利。
【5cコントロール】に対しては有利ではあるものの、《フェアリー・ライフ》を踏むだけで《青銅の鎧》に《至宝 オール・イエス》装備が間に合うパターンがあるなど、噛み合いの求められるデッキタイプであることはこのデッキを選択するリスクと言えます。
【赤緑アグロ】に有利なデッキタイプ
【ギャラクシーデリート】
Tier 3
【連ドラ】 Tier3
【赤青リーフ】【ドロマーロードリエス】【イエスビート】など様々なデッキが跳梁跋扈するTier3帯ですが、今回は新カードをふんだんに使った注目デッキとして、【連ドラ】をピックアップして紹介します。
序盤を《フェニックス・ライフ》《音感の聖霊龍エメラルーダ》で耐え、7マナになった瞬間から一気に力を解放。強力なドラゴンを連打して盤面を制圧します。
デッキコンセプトの一つでもある《竜星バルガライザー》は、もしドラゴンを捲れなかったとしても単純にスピードアタッカーのWブレイカーという存在が旧枠2ブロック環境において破格の存在。その上で上ブレ要素も存在し、ブン回ったときの迫力は上位Tierに存在するデッキを圧倒します。
特に、トリガーによる受けは強いもののフィニッシュが遅い【ギャラクシーデリート】に対しては圧倒的に有利。トリガーでいくら受けられようとデッキトップから強力なドラゴンを連打し続ければいつかはリソースが切れ、【連ドラ】の有利な土俵に持ち込むことができます。
《邪眼皇ロマノフI世》はアタックトリガーで撃つ呪文こそないものの、出た時効果で《黒神龍グールジェネレイド》を落とすことができるため実質除去耐性持ちである点が非常に強力な1枚。
7ターン目にプレイしたい最有力候補カードなので、《ダーク・ライフ》《腐敗無頼トリプルマウス》を採用した【黒連ドラ】もバリュエーションとして存在します。
しかしながら、このデッキは序盤がまったく安定せず、平均値が他のデッキより低いことがTier3に留まっている最大の理由。
5月環境になって新しく登場した、完全に新機軸とも言えるアーキタイプのひとつなので、今後の開拓に期待がかかります。
【連ドラ】に有利なデッキタイプ
【5cコントロール】、【赤緑アグロ】
環境のまとめ
冒頭にも述べた通り、5月環境の旧枠2ブロックはウィニークリーチャーで細かいアドバンテージを稼ぐ牧歌的なデュエルマスターズは終わり、巨大なドラゴンやエンジェルコマンドをぶつけ合う派手な環境へと様変わりしました。
単体のカードパワーが向上したことにより、今まで注目されていなかった《飛散する斧 プロメテウス》が再評価されるなど、今までにないベクトルで構築を考えていく必要性が高まっています。
カードプールが100種を超えたこともあり、新たなカードとの相乗効果でまだ見ぬデッキが開拓される可能性も秘められており、現環境の旧枠2ブロックは非常に味わい深いフォーマットになったように思います。
皆さんも是非、本記事を参考にして旧枠2ブロックを始めてみてはいかがでしょうか?
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!