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七次元先から愛を伝えるよ

『旧枠2ブロック』の世界を振り返る

いよいよ明日(10/24)、DMEX13『四強集結→最強直結パック』が発売される。

《勝熱龍主 モモキング》《鬼ヶ大王 ジャオウガ》を始めとした魅力的なカードの数々が、環境の変化を予感させ*1胸が震える今弾だが、もちろん新カードだけではなく優秀な再録カードも封入されることが確定しており、2ブロックのカードプール拡張にも期待が掛かる。

 

さて、2ブロックのカードプールが拡張されるということは、「あの」化石フォーマットも拡張されるということだ。そう、旧枠2ブロックである。

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公式サイトにはすでに収録カードが全て公開されており、《アストラル・リーフ》《音感の精霊龍 エメラルーダ》《魔光騎聖 ブラッディ・シャドウ》などのカードが再録されることが発表された。

他にも優秀なユーティリティーカードが追加されており、停滞ぎみだった旧枠2ブロック界隈も密かに盛り上がりを見せているのである。

 

そこで本記事では、十王編第三弾環境の旧枠2ブロックのデッキを紹介し、この不思議なフォーマットがどのような構造になっているのかを解き明かしていくこととする。

この記事は旧枠2ブロックの環境に想いを馳せ、旧2新環境へのスタートダッシュとなる新たなデッキを産み出そうという『パイオニア』のための振り返りとなる。ぜひお付き合いいただきたい。

 

※なお、本記事は筆者の属する小さなコミュニティ内で生まれたデッキのみを取り扱っている。環境によっては異なるメタゲームが形成されていることをご承知おき頂きたい。

 

 

目次

 

◆令和のジェスターソード、「赤白緑ソードリエス

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序盤は《ガントラ・マキシバス》《雷鳴の守護者ミスト・リエス》といった対処を強要するシステムクリーチャーを展開してアドバンテージを獲得する。

《雷鳴の守護者ミスト・リエス》が場に残れば次ターンから2コストの生物を大量展開→《ダイヤモンド・ソード》でのフィニッシュを狙っていける、コンボ要素のあるビートダウンデッキ。

 

環境序盤は《冒険妖精ポレゴン》《予言者クルト》などの1マナクリーチャーを大量に投入したコンボ要素の強いものがテンプレートだったが、環境が解明されていくにつれてデッキの速度を落としていき、十分な枚数のシールドトリガーを採用してカウンターを狙う構築に変化した。

 

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低速化への適応の象徴とも言えるのが《シェル・キャリアー》である。

このカードはパワーアタッカー効果で実質パワー5000を持っているため、環境最強ブロッカーの一角を担う《電脳聖者タージマル》に強く出ることができ、このカードがアクティブ*2な状態にあるだけで相手のブロックの選択肢をある程度制限することができる、非常に優秀なカードとなる。

 

本構築ではアドバンテージを失いにくい《シャーマン・ブロッコリー》が採用されており、序盤のビートダウンは基本的にこのクリーチャーと《シェル・キャリアー》を絡めた動きを中心に進んでいくほか、攻撃→ブロック対応《斬隠テンサイ・ジャニット》で攻撃クリーチャーを戻す→《シェル・キャリアー》でブロッカーを殴り返し のような絡め手を使ってブロッカーを対処することも可能。パワー5000の偉大さを感じるばかり。

 

◆古来より伝わる最強戦術、「ロリコン

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ビートダウンの台頭があれば、そこに現れるのはコントロールデッキだ。「ロリコン」とは即ち「ロードリエスコントロール」のことである。

この環境の『結論構築』とされていた、ブロッカー中心のコントロールデッキ。《電脳聖者タージマル》《時空の守護者ジル・ワーカ》といったカードで相手の攻撃を受け止めつつ、「リエス」2種のリソース回復能力と豊富な除去およびトリガーで戦況をコントロールしていく、昔ながらのデッキ。

 

2種8枚の3コストブロッカーは【赤白緑ソードリエス】のようなビートプラン中心のデッキに特に強く、《スネークアタック》+《ダイヤモンド・ソード》で過剰打点を叩きつける強力なフィニッシュプランもあり、非常に安定感の高いデッキとなっている。

 

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《腐敗勇騎ガレック》は損なく《知識の精霊ロードリエス》などのブロッカーを排除できるカードで、ミラーマッチも考慮して本リストにも4枚採用されている。

実は旧枠2ブロックにはブロッカー破壊カードが《腐敗勇騎ガレック》しか存在しておらず、色の合うデッキすべてに4投されるほどの超優秀カード。赤黒のデッキを組むときはまずここからスタートとなる。

 

四強集結においては《魔光騎聖ブラッディ・シャドウ》《腐敗聖者ベガ》《音感の精霊龍エメラルーダ》などの強化カードが追加されることが確定しており、来期もっともアップデートが期待されるデッキ。

 

◆環境のソリューション、「赤黒緑コントロール

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ロードリエスコントロール】のミラーがあまりに不毛なことから、ミラーにおける《腐敗勇騎ガレック》の強さに着目し、【ロードリエスコントロール】を倒すために作られたデッキ。

 

ドローソースがない代わりに、《爆砕面ジョニー・ウォーカー》《腐敗無頼トリプル・マウス》でマナを拡充→《ピクシー・コクーン》《月の死神ベルヘル・デ・スカル》でマナ回収、という手順を踏むことによってリソース回復を行う。

その過程で《腐敗勇騎ガレック》も絡めたハンデスによってリソース差を付けていこう、というコンセプトである。

アタッカーのコストが高いことから環境唯一のコンバットトリックである《斬隠テンサイ・ジャニット》の影響を受けないことも本デッキの強みの一つだ。

 

《月の死神ベルヘル・デ・スカル》は自身を回収することにより実質モヤシ運用ができるため、ほぼ途切れることなく展開を継続できるのが魅力的。フィニッシュはこのカードで少しずつ殴っていくか、多量な除去で相手のアタッカーをすべて潰して相手のライブラリアウトを待つことになる。

 

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《霊騎ラグマール》はマナ加速ができる除去でありつつ、《ピクシー・コクーン》《月の死神ベルヘル・デ・スカル》で使いまわすコンボが非常に強力な一枚。基本的に横展開が非常に弱い環境なので、こういう縦の除去を連続的に行えるカードはめちゃくちゃ強い。

 

一方このデッキ、除去やトリガーが噛み合わなければビートダウンデッキの横の圧に負けてしまうという欠点がある。そう、このデッキは【赤白緑ソードリエス】に不利の付くデッキタイプなのである。

また、来季は《アストラル・リーフ》採用のビートダウンデッキのようなハンデスの通りづらいデッキが登場する。本デッキの立ち位置は若干厳しくなるだろう。

 

◆まとめ

これまでの旧枠2ブロック環境は【赤白緑ソードリエス】、【ロードリエスコントロール】、【赤黒緑コントロール】の3すくみを中心とした環境だった。

しかし、来季ではなんと13種もの新カードが追加され、環境はより複雑になっていくことが予想される。《アストラル・リーフ》のような目玉カードを中心にしたデッキはもちろん、環境が進んでいくことにより、今環境の【赤黒緑コントロール】のような「特定のデッキにフォーカスを当てたメタデッキ」が新たに生まれる可能性もある。新カード追加はいつだってビルダーをワクワクさせるのだ。

 

新カード追加によって変化するメタゲーム。次に環境に新たな風穴を開けるのは、君のデッキかもしれない。

 

*1:12月改定まで結局ドラグナーが板という話は置いておいて

*2:攻撃可能