いまさら「回転むてん丸TCG」というゲームを詳しく解説する記事
どうも僕です。この記事は本来3年前に書かれるべき記事なので、3年前に帰った気持ちで読んでください。本当になぜ今更?
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突然ですが「回転むてん丸」というコンテンツをご存じでしょうか。
大手寿司チェーン「くら寿司」の展開する公式キャラクターコンテンツで、Webマンガやフィギュアを含むグッズ展開もされている意味不明な超人気コンテンツです。以前Z/Xとのコラボレーションもあったので、TCG界隈ではそこそこ知ってる人も多いと思います。
今回紹介するのは、「回転むてん丸」のグッズの一つである、「回転むてん丸TCG」というカードゲームです。
さてこのゲーム、ぱっと見はファンアイテムですが実際は結構ガチガチのカードゲームになっています。とはいえ基本的なルールは「お互いにカードを出し合ってパワーが高い方が勝ち」といういたってシンプルなもの。ではなぜこのゲームが奥深いものとなっているのか、ルール解説と共にお伝えしようと思います。
ゲームのルールに関しては公式サイトでも解説されている(第一章〜の遊び方 | 回転むてん丸)ほか、パックの中にルールブックが封入されているためそちらも参照ください。当記事では公式サイトにない部分まで詳しく掘り下げて解説していきます。また"他TCGで使われている用語でありむてん丸TCGの公式用語ではない"ものも多数含まれます。基本的には他TCGの経験者を対象とした記事となりますのであらかじめご了承ください。
◆実際のカードを見てみよう
こちらがむてん丸TCGの実際のカードです。左から右に行くにつれてレアリティが高いものになっています。
右下に星マークがあるのがわかると思います。これがレアリティです。むてん丸TCGはルールの都合上5枚~15枚のカードを使ってデッキを構築するのですが、構築する際のルールはこのレアリティの星マークの合計が15個になるようにデッキを構築するということだけ。同名カード・同種カードに枚数制限はないのですが、この15個制限によって「必ずしも高レアのカードが強いというわけではない」ということがわかると思います。
カードの左上、丸いマークは「シンボル」と呼ばれます。火・木・水の3種類があり、基本的に火のカードは木のカードに強く、木のカードは水のカードに強く、水のカードは火のカードに強い、というような3すくみの構成になっています(ただしこれに当てはまらないカードも多数存在します)。
カード下部に書かれている数字が「パワー」です。その下は「効果」。これについては詳しく説明します。
また、カードを囲う「枠」もこのゲームでは重要な意味を持ちます。枠は「青」「緑」「紫」「灰」「銀」「金」の6種類。ストーリー上でのキャラクターの立ち位置やレアリティなどで分類されます。
◆ゲームの進行
むてん丸TCGが他のTCGと違うのは、「構築9割」のゲームだということ。プレイングや運が必要になることもなくはない(プレイング0.9割、運0.1割くらい)ですが基本的にすべてデッキ構築が左右します。なぜかというとむてん丸TCGには「デッキはあれど山札はない」からです。あなたはもう初手事故に悩んだり理不尽な捲りにストレスを溜めなくてもよいのです!ではどういう風にゲームは展開していくのでしょうか?
デッキは上記した通り「レアリティの星の合計が15個以下になる」ように5枚以上のカードを選び構築します。
プレイヤーはまずデッキから5枚を「主人公カード」として選び、上図のように裏向きにして伏せます。選ばなかった残りのカードは「手札」となります。上の5枚が相手プレイヤー、下の5枚が自分。
ゲームの準備が済んだらじゃんけんで「カードを左右どちらから捲り始めるか選ぶプレイヤー」を決めます(ほぼ唯一の運要素)。選ばれたプレイヤーが指定したほうのカードを表向きにして対戦開始です!
捲られたカードは「主人公」と呼ばれます。表向きになった時点で主人公の効果が誘発し、パワーの低い順に解決していきます。すべての処理が終了した時点で、主人公のパワーが低かったほうが優先権を得ます。※パワーが同じ場合は前のターンで負けたプレイヤーが優先権を得ます。第一ターンだった場合や前ターンが引き分けで終わった場合は再度じゃんけんをします。
優先権を得たプレイヤーはこのように主人公に重ねる形で手札から「仲間」カードをつけることができます。仲間となれるカードは基本的に主人公とシンボルが同じである必要があります。仲間は一度に何枚でも付けることができ、仲間の効果は仲間となった瞬間に発揮します。
必要なだけ仲間をつけたら優先権をパスし相手プレイヤーに優先権を渡します。相手が仲間を付けたらもう一度優先権が回ってきて仲間を新たに付けるかどうかを選びます。お互いに「仲間をこれ以上重ねない」ことを選択した時点でお互いの主人公のパワーを計算します。最終的な主人公のパワーは重ねられた仲間のパワーとの合計となるため、「仲間」の使い方が重要になります。パワーの高かったほうの主人公が「勝ち」です。
主人公を表向きにしてパワーを計算し勝敗を決めるまでの一連の流れを「対決」と呼びます(本記事では便宜的に「ターン」という言葉を使用しています)。
パワーの低かった主人公と、ターン中に「仲間」となったカードはターン終了時に「捨て札置き場」(=墓地)に送られます。勝利した主人公はそのままで、負けたプレイヤーは使用した主人公の隣のカードを表向きにして新たにターンを始めます。
こうしてターンを繰り返していき、最終的に「主人公」カードが0枚になったプレイヤーが負け。1枚でも残っていれば勝利です!
◆カードの「効果」について
さて、ゲームの中身についてある程度説明したところで、このゲームの肝となるカードの「効果」について説明していきたいと思います。
カード効果は「特定の条件を満たす場合」に発動するものが多く、その条件はさまざま。「相手のカードのシンボル / 枠」「自分のカードのシンボル / 枠」「カードのレアリティ」などが条件になりやすいようです。「主人公のときのみ発動する効果」「仲間のときのみ発動する効果」などもあり、それらのカードをうまく組み合わせることが勝利の鍵となってきます。
また、このゲームのカード効果はいくつかのパターンに分類できます。
①強化
「パワーを+〇〇する」という単純明快な効果です。条件はカードによってさまざまですが、一番わかりやすく使いやすいカードでしょう。「パワーを倍にする」みたいなイかれた効果もあります。
②妨害
「相手の効果を無効にする」「相手のパワーを0にする」など、特定の条件下で相手のカードを弱体化させるカードです。ハンデス系能力もあります。強化系よりも強力にデザインされていますが、発動条件が厳しかったり素点(仲間やバフのない状態でのパワー)が低かったりなどちょっとしたデメリットがあったりもします。
※素点が低いカードが主人公の場合先に効果発動+優先権獲得できるため必ずしもデメリットになるわけではないことに注意!
③シンボルチェンジ
カードのシンボルを書き換える効果です。非常に強力な効果です。
例えば画像左側の《いたチーズ(B20)》のような相手のシンボルを書き換えるカードは「相手のシンボルが火なら~~」といった効果を誘発させるだけでなく、相手が火デッキでない場合は仲間を付けることすらできない状態にします。(仲間は主人公と同じシンボルでなければつけることはできない)
一方右側《蔵獅子尊(B31)》は相手に「シンボルが火なら」効果を誘発させるというリスクがあるかわりに、シンボルに関係なく仲間にすることができる能力と言い換えることもできます。また当然「自分の主人公 / 仲間のシンボルが火なら」といった強化効果を誘発することもできるため非常に便利です。
「この対決中」と書いてありますが主人公なら毎ターン発動します。
シンボルチェンジが何回か発揮された場合、最後に発動した効果を適用します。
④範囲拡大
「違うシンボルのカードも仲間にできる」や「シンボルに関係なく」といった効果です。これも強力です。相手のシンボルチェンジ対策にもなります。
⑤墓地利用
捨て札置き場のカードを活用する効果です。手札と違って捨て札のカードは消えないので何度でも同じスペックで動けるのが魅力。
⑥効果コピー
特定の条件で他のカードの能力をコピーします。墓地利用同様に何度でも同じスペックで動けるため強力です。
⑦デメリット
特定条件下でパワーが0になってしまう、そもそも仲間を付けられない、仲間の効果を1枚無効にしてしまう、などのデメリット効果を持つカードも存在します。これらのカードは素点が高く、うまくデメリットを打ち消すことができれば高パワーで相手を踏みつぶすことができます。
ここに挙げた効果の枠に当てはまらないカードもありますが、おおむねこのような形に分類できます。運要素が絡む効果はほぼ存在せず、カード同士のシナジーのみで大局が決するためむてん丸TCGは「9割構築ゲー」なのです。
◆カードで遊ぶ
「パワーを比べる」という単純明快なルールと、「効果」による複雑なゲーム展開、それがむてん丸TCGの魅力です。なによりカードが安価で手に入りやすいのが魅力ですね。1パック4枚入りで、なんと50円!
しかしこのカードゲーム、重大な問題があります。なんと漫画「回転むてん丸」の完結と同時に商品展開・生産が終了しており、公式流通によって入手することはできないのです!
じゃあなんでこんな記事書いてんだよって話なんですが、これには理由があります。
なんと、僕がむてん丸TCGのキューブドラフトプールを所持しています!!!!
僕に会えさえすればむてん丸TCGで遊び放題!プールは2章~5章のカードで構築されており、プレイしていくうちに様々なキャラクターと出会えることでしょう。興味があればぜひお声掛けください!
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さて長くなってしまいましたが今回はこのあたりで筆を置きましょう。気が向いたら構築テクとかの記事も書く、かも。その際はよろしくお願いします。